臍下部(恥骨上部・下腹部正中)や下腹部全体の痛みについて

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臍下部(恥骨上部・下腹部正中)や下腹部全体の痛み

腸疾患、尿路疾患、婦人科疾患が多い

下腹部全体の痛み・左右どちらかの痛み

考えられる病気

消化器系疾患:感染性腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、大腸憩室炎、大腸炎、虫垂炎など

尿路系疾患:膀胱炎、尿路結石、腎盂腎炎など

婦人科系疾患:異所性妊娠、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍、卵巣茎捻転、卵巣出血、骨盤腹膜炎など

男性疾患:前立腺炎、精巣上体炎など

消化器系疾患

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群はお腹の痛みや調子がわるく、それと関連して便秘や下痢などのお通じの異常(排便回数や便の形の異常)が数ヵ月以上続く状態のときに最も考えられる病気です。
もちろん、大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことが前提になります。
およそ10%程度の人がこの病気であるといわれている、よくある病気です。女性のほうが多く、年齢とともに減ってくることがわかっています。命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛み、便秘・下痢、不安などの症状のために日常生活に支障をきたすことが少なくありません。
お腹の痛みに加えて便秘や下痢が1か月以上続くようなら消化器内科へ受診しましょう。

感染性腸炎

感染性腸炎は細菌やウイルスなどの病原体による感染症です。ウイルス感染による胃腸炎が多く、毎年秋から冬にかけて流行します。
原因となる病原体には、ノロウイルス(Noro virus)、ロタウイルス(Rota virus)などのウイルスのほか、細菌や寄生虫もあります。
ノロウイルスによる胃腸炎では、主な症状は吐き気、おう吐、下痢、発熱、腹痛であり、ロタウイルスによる胃腸炎では、おう吐、下痢、発熱がみられ、有症期間は平均5~6日です。感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もあります。
治療は特別な治療法は無く、症状に応じた対症療法が行われます。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患はクローン病や潰瘍性大腸炎など、大腸や小腸に慢性の炎症または潰瘍が起こる疾患を総称して呼びます。
腹痛、下痢、時には血便などの症状がありますが、痛みの出る部位は炎症の場所や範囲により様々です。

尿路系疾患

尿路結石

尿路結石は30~40代の男性に多い病気で、腎臓・尿管・膀胱・尿道などの尿路に留まる結石が尿路を下っていくときに引っかかると激しい痛みを感じます。
腎臓から尿道のどこに結石が引っかかるかで痛みの場所は様々です。
この痛みは非常に強い痛みで、冷や汗、嘔吐、吐き気などを伴うことがあります。

膀胱炎

膀胱炎は主に細菌が膀胱に感染して炎症を起こす病気ですが、下腹部痛以外にも排尿痛、頻尿、血尿の症状が特徴的です。

婦人科疾患

婦人科疾患は異所性妊娠、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍、卵巣茎捻転、卵巣出血などで下腹部痛症状が起こります。
子宮内膜症や子宮筋腫は大きさや程度によって痛みの程度がさまざまですが、卵巣茎捻転、卵巣出血、異所性妊娠などでは激しい下腹部痛が特徴で早期の治療を要します。

男性疾患

男性疾患は消化器疾患や尿路系疾患に比べると頻度は少ないですが、前立腺の精巣上体に炎症を起こす精巣上体炎などで下腹部痛を起こします。高齢者では前立腺肥大や膀胱結石がもともとある場合も多く、感染のリスクが増すと言われています。その他、前立腺の感染症である前立腺炎なども下腹部痛の原因となることがあります。

受けるべき診療科

消化器内科

●消化器外科

●泌尿器科

婦人科

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